38.名付けると、色はパッと鮮やかに立ち上がる


名付けると、色はパッと鮮やかに立ち上がる

こんにちは!さくらです。

前回は、
「色の名前を知っていればOKってわけじゃないよね」
という話をしました。

今日はその続きです。

「そんなに言うなら、じゃあ名前って要らないの?」
って思ってしまった方もいるかもしれませんが、実はここがまた面白くて。

名前をつけることで
初めて色が印象的に立ち上がってくる瞬間があるんです!


見えているのに、見えてない?

私たちって、毎日ものすごい量の色を見てるじゃないですか。


空、道路、カフェラテ、服、スマホケース、
推しのアクスタ、ドラッグストアのコスメ棚……。


でも、見えてるはずの色の多くは、
脳内で「だいたい同じ」でまとめられてるんですよね。

空を見て「青い」と思うけど、
そもそも青っていうか水色っぽいし、
雲がかかって白っぽいところも、グレーっぽい影もある。

なのに脳は「空=青」で圧縮する。
省エネ上手でありがたいことですね。めっちゃ雑ですがw


そういうとき、名前が効いてくるんです。

「ただの青」だったものを「スカイブルー」というだけでも、
あの水色がより鮮明に脳裏に浮かびます。


だけど、たとえば

「平日休みを取ってお花見に出かけた日の晴れた空の色」

なんて素敵な名前を与えた瞬間に、
急にその青って他の青とはまったくの別物になってしまうと思いませんか?
色に輪郭が出る、というんでしょうか。

ちょっと例を挙げてみますね。


イッセイミヤケ展で見た「採取と命名」の現場

イッセイミヤケの特別展に行ったとき、
まさに「採取と命名」の現場が展示されていたんですよ。

次のシーズン用の新しいコレクションの色づくりということで、
イタリアの自然や街中で色を採取し、
200色つくった中の44色が展示されていました。

天井から色とりどりのプリーツの布がたくさんかかっていて、
もうその時点で「うわー!」って目がキラッキラになったんですが、
採取のプロセスを動画や写真で拝見できたのがとても良かったんです。

白いカードやパレットに実際に絵の具を置きながら
色を読み取っていく繊細な作業を垣間見ることができ、

「ここで分けるんだなぁ」
「彼には世界がこう見えているんだなぁ」

としみじみ眺めてしまいました。


そして、パッと見では同じに見える色を
ちゃんと別の色として拾って名付けていく様子を見て、私、

「色の名前って、言ったもん勝ちってコト!?」

って思ったんですよw

脳直感想なのでめちゃくちゃ雑なんですが
きれいな言葉に直しますと、

観察して、切り出して、名前を与える人が色を立ち上げる

そういうものなんだな、と感じたんです。

ああ、名前ってただのラベルじゃなくて、
見え方そのものを更新するツールなんだなって。


コスメの色名って楽しすぎやしませんか

この名前の力、
一番わかりやすいのってコスメかな、と思うんです。


たとえば、プチプラならマジョリカマジョルカ。

わかりやすいし正しいんですけど、
もしも「パープル」とだけ書かれていたらちょっと味気ないじゃないですか。

でも同じ色を「トワイライト」って言われると、
急に頭の中に景色や物語が広がりますよね。

夕方の空気、光の落ち方、少しの影。
そういう文脈ごと、色が心に入ってくると思います。


で、個人的に面白くてめちゃくちゃ好きなのがアナスイです。
今のラインナップだとたとえばこんな色があります。

「魅惑のオーラ漂うマーメイドパープル」
「いたずらなラプソディーイエロー」

……もうね、濃いんですよ! 情報が……w
色名だけでもオリジナルで癖強なのに、修飾語まで伴っている……

でも、これらは「パープル」とか「イエロー」と言っていますから、
名前だけ聞いても多少は色のイメージが湧きますよね。

でも、

「紙吹雪舞うコンフェッティパーティ」
「陽気に羽ばたくハミングバード」

って来られると、「一体何色なんだよwww」じゃないですか。
色を特定できる要素が一切無いんですよw
完全にお手上げです。

ちなみに私のお気に入りは
「ときはなて!パラダイスフラッシュ」です。
おもろすぎ。めちゃくちゃ元気出ます。


でも、実際にこうやって色名ひとつで
「訳わかんないけどなんかいいな」って感じるのも面白いところで。

色をピンポイントで特定できない機能性の無い名前でも、
感情のスイッチは確実に押されていますよねw

紙吹雪って言われたらカラフルを想像するし、
ハミングバードって言われたらなんとなく青い鳥が浮かぶし、
パラダイスフラッシュは元気が出る。意味不明。でもなんか好きw
(ちなみに正解は上からピンク×シャンパンゴールド/イエロー/ピンク×赤です。わかるか!)


つまり命名って、
「正確な色指定」だけが役目じゃないんですよ。

どんな気分でその色をまとうかっていう
私たちの気持ちまで含めて演出してくれるんです。


名前をつけると、「好き」と「記憶」が光りはじめる

名前をつけるだけで、
好きなものが急に鮮やかになる瞬間がありますよね。

たとえば、同じ夕焼けでも
「わ〜オレンジだ〜。きれい〜」だと流れていくのに、

「部活後にみんなでアイスを食べながら歩いた帰り道の夕焼け」

って呼んだ瞬間、
体温ごと深く記憶に保存される感じがしませんか?

ただのベージュのニットが、
「あの冬、彼と笑ってた日のベージュ」になる。

ただの白いマグカップが、
「徹夜明けに助けてくれた朝の白」になる。

そうやって名前がついた色って、
情報じゃなくて、「思い出」として残るんですよね。


しかもですね、これって記憶の中だけじゃなく、
不思議なことに今の景色まで変わってくるんですよ。


お気に入りの色を言葉でも持てるようになると、
街を歩いているときも、
買い物してるときも、
「あ、私の好きな色!」が見つかるようになります。

忙しい毎日の中にちょっぴり嬉しいことが増えると、
それだけで少し世界を優しく感じませんか?


色って、世界に最初から置いてあるものでもありますが、
同時に、私たちが見つけて育てていくものでもあります。


あなたはどんな色が好きですか?
良かったら聞かせてくださいね。