34.情報を「色」で捕まえる

34.情報を「色」で捕まえる

「平安時代の一生の情報は現代の一日分」


この言葉を聞いたことがあるでしょうか?
初めてこの言葉を聞いたときは本当に衝撃でした。

い、一生……?
いや、さすがに……。

みたいなw

でも、たとえば平安時代に戦が起きたとしまして。

戦が始まったこと。
今どちらが優勢か。
終結したのはいつか。
誰が亡くなったのか。
結局、首謀者は誰だったのか。

これらがはるか遠くにいる自分の耳に入ってくるのって、
事が起きてから、一体何日後になってしまうんでしょうか。

今となっては考えられないことですが、
情報が人の動きより速く届くことなんてありえなかったわけです。

ところが現代においては、
情報は人の動きどころか音よりも速く届いてしまいます。

たった今、自分が住む街で地震が起きたとしますよね。


即座に流れる地震速報。

テレビをつければ、
震度・マグニチュード・震源地、津波情報が緊急速報として表示されています。

「とりあえずテレビ」ではなく、とりあえずSNSを開く人もいますよね。

日常の延長のような雑多な情報の合間に
「まだ揺れてる!」「大きい!」なんて声があったり、
「関東地方のフォロワーさん、大丈夫かなぁ。心配…」という呟きが挟まっていたりします。

フォロワーの様子や、何となくの生活エリアもわかってくるわけです。

さらにニュースでは現場の映像が生中継され、
地震による交通の乱れなどが通知され、
家族や友人から安否確認の連絡や無事を知らせる報告が届き、
怪我人の数や死者、行方不明者などが発表され、
公共メディアだけではなく個人のSNSアカウントからも様々な情報が飛び交い、
過去に災害が起きた際の状況にまで改めて注目が集まり……



このスピード感と情報量を思うと、
24時間以内に平安時代の一生分の情報を得られるのもあながち嘘ではないと感じますよね。

情報を「色」のイメージで捉えること

さて、現代を生きる私たちは日々情報に溺れています。
情報という大海の波を上手く乗りこなしていくには一体どうすればいいのでしょうか。

私は一つの方法として、
情報を「色」で捉えることが役立つと考えています。



私は大学を卒業してから、
何かを学ぶために紙で文章を読む、ということがかなり減りました。
おそらく、あなたもそうだと思います。


ですが、今日ここで改めて学生時代を思い返してみてください。
教科書や資料、たくさん読んできましたよね。

時には、興味のない文章を必死に読んだ経験だってあるはずです。
これ、とっても大変じゃありませんでしたか?



自分が好きな小説を読んでいるときなら、
ページが黒一色の文字で埋め尽くされていても全く気になりません。
むしろ余計な情報が無く、読みやすく、物語に没入しやすいとさえ思います。

ですが、情報を集める・調べるための読み物の場合、
どうしても関心の無いものに目を通すこともありえるわけです。


そうなると、メリハリの無い文字の羅列はやはり苦痛に感じます。

目が滑る。
頭に入ってこない。
眠くなる。
何度も同じ行を読む。
何が書かれていたか忘れてしまう。
結局、何が大切だったのかわからない。

こんな経験、きっと何度もあったはずです。

そんな時、多くの人がやっていたのが「色分け」だと思います。

文章を理解しやすくするために、
色ペンで線を引いた記憶、ありませんか?

「情報を色で捉える」というのはまさにあのイメージなんです!

思い出してください。
きっと、最重要な部分は赤、次に大事な部分は青。
そんなふうに色をつけていた方も多いはずです。

この慣れ親しんだ色分けの威力、実はバカにできないものがあります。

「なんとなく」「やったりやらなかったりする」のではなく、
きちんとルール化して常に実行する。

これだけで、情報を取捨選択する技術は上がっていきます。

ということで今回はまず、
色分けのノウハウがとてもわかりやすくまとめられている本をご紹介します。

『情報活用のうまい人がやっている3色ボールペンの使い方』 齋藤孝

こちらです!

今回から数回に分け、
私なりの解釈や色彩のプロとしての視点を加えながら、
「情報を色で捕まえる方法」をご説明していきたいと思います。

色分けのルール

紙で文章を読むとき、という条件下にはなりますが、

のボールペン(1本3色付きのものが望ましい)で、
以下のルールで、文章に印をつけながら読んでみましょう。

:最重要

:赤ほどではないが重要そうなこと

:自分が好きだと思ったこと。興味のあること

赤と青は、いわゆる「客観的事実」です。
「自分以外の他の誰かが読んでも大事だろうな」と思うこと。

中でも、要約するときに絶対に欠かせない核となる情報には赤で印をつけます。

「これが本当に赤でいいのかわからない」場合もあると思います。
その時は、仮に青で印をつけておき、後から赤を書き加えてもOKです。



では緑は何をチェックするのかというと、「客観」の逆です。

他人がどう思うか、重要かどうかは関係ありません。
自分が好きかどうかというだけの「主観」で印をつけるんです。

すると、緑の部分は「あなたの感性」を浮き上がらせます。

緑を引いた部分が、赤・青も兼ね備えている場合もありますよね。
その時は先ほど同様、両方書き込めばいいわけです。

そうすることにより、客観的にも大事で自身の感性にも響く、
あなたにとって一番価値のある情報を視覚的に拾い上げることができます。


チェックをするときは、
キーワードにはぐるっと○をして、文章なら線を引いていきます。
間違えてもいいので、あまり悩まずサクサクと進めていくのがポイントです。

じっくり時間をかければ誰でも理解することはできます。

ですが、これだけの平安時代の一生分の情報を一日で処理していく必要があるわけですから、
必要な情報を素早く選び取るスキルも大切になってきます。

頭だけで考えようとするとあれこれ考えすぎたり脱線したりするので、
手を動かすことは作業をきちんと前に進めていく助けにもなります。

冒頭の地震の例を使って考えてみましょう。

・身の周りの被害
・近しい人の安否
・避難所の情報
・交通情報
・今後の地震の予測

など、現状把握のための情報や命に関わることは、当然「赤」の情報です。

「さっきの揺れの震度は何だったか」
「マグニチュードいくつだったか」

などは記録としては大切ですが、数値を知らなくても生死に直結するわけではありません。
もっと優先して知りたいことがあるはずです。
なので、当事者としては「青」程度と考えていいでしょう。


赤を知っていれば生き残るのに必要な情報を得られますし、
青まで知ればこの度の災害の概要を知るには十分です。

逆に言えば、その他は不要不急の情報である、ということになります。


ですが、たとえば被災して不安な日々を過ごす中で
「災害下の心温まるエピソードに、気持ちが慰められる」とか、
「遠方のフォロワーがいつも通り楽しそうに過ごしていることが嬉しい」とか、
実用的な情報とは違う、だけど気持ちを動かしてくれる情報もあるはずなんです。

それがあるからこそ、
「こういうときだからこそ、私も人に優しくしよう」とか、
「余裕ができたらまたお話したいな。それまで頑張ろう」とか、思えるわけですよね。

そう思わせてくれる情報が緑、ってことですね。



情報を理解するには赤・青をいち早くキャッチする必要がある。
でも赤・青だけでは気持ちは動かないから、緑こそしっかり掴み取っていきたい。

色分けにより、これを視覚的に行いたい、というわけなんです。
イメージできてきましたか?

AI時代の人の価値

ということで、
紙で文章を読む機会があればぜひ、色分けに挑戦してみてください。


……と言っても、もしかしたら

資料や本にまとまっている情報なんだから、全部大事に決まってるじゃん。

全部に色をつけることになっちゃうよ!

と、感じる方もいるかもしれません。



でもね、そんなことはありません。

そんなことはないというか、文章にはメリハリがあるはずなんです。
試しに、ここまでの私の文章を振り返ってみてください。


……どうでしょう?


スマホやPCで読んでいただいているので、
実際に線は引けないとは思うのですが、この話、全部に線を引きたいですか?

絶対にそんなことはありませんよねw



とはいえ、もちろん無駄なことをダラダラ書いているつもりもありません。

「皆さんにシェアしたい大切なこと」をわかりやすく、
そして、少しでも楽しく伝えられるよう考えながら書きました。

そのために、具体例だったり、私自身の体験だったり、
私にしか書けない主観的な情報を交えながらお話しています。
ここが皆さんにとって、「緑」になりえる部分ですね。
(もちろん、ならないかもしれませんがw)

今日ここまでブロックすることなく当LINEをご覧くださっている皆様は、
私の感性に少しでも共感してくださっている方だと思っています。



AIが様々なことを担ってくれるようになってきた時代。
赤・青の情報をまとめるのはAIの得意分野です。

でも逆に、AIからは「感性」による表現は生まれてこないんです。

だからこそ、AIとは違う・AIには生み出せないあなただけの価値は、
緑の情報を集め、取り入れ、
そこから新たなアイデアを創造し、再現することで生まれます。



少し長くなってきましたので、今回はここまでにしたいと思います。
次回も引き続き、情報の色分けについてお話していきますね。

どうぞお楽しみに!